西日本新聞

2000年(平成12年)729日 土曜日 朝刊 より

− 健 や か −

言葉の障害と向き合う
2つの自助グループが活動
『SDの会』

周囲の理解を求めて 


声を出そうとしても、声門が緊張して声が詰まる―けいれん性発声障害(SD)。原因不明で、耳鼻科の専門医にもあまり知られていないこの障害に対する理解を広げ、患者同士で支え合いたい。福岡市城南区のSD患者、中西由佳さん(32)らは昨年末、全国初の「SDの会」を立ち上げた。SDは、声帯が過度に緊張し、声がきれぎれになったり、絞り出すようなかすれ声になったりする障害。日本におけるSD治療の第一人者、小林武夫・帝京大教授によると、筋肉の緊張から生じる手足、顔面などのけいれんを総称するジストニアと同種の障害。根治治療法は確立していないが、ボツリヌストキシン注射で症状を緩和することができるという。認知度が低い障害だけに、「緊張に弱いだけ」と思い込む人も少なくないという。十五歳のときから症状に悩む中西さんも「単にあがり症だと思っていた」。SDと診断されたのは二十四歳のとき。また耳鼻科を訪ねても「心因性」と診断されることもあるという。「医師も含めみんなにSDについてもっと知ってもらいたい。そして同じ悩みを持つ者で治療の情報を交換し、支え合いたい」と中西さん。現在、全国約四十人の患者が交流している。

※福岡言友会の記事部分は割愛させていただきました


 ※帝京大医学部付属市原病院への電話でのお問い合せはご遠慮下さい。